※治療方法・期間には個人差があり、治療を受けた方全員に同じような結果が出るとは限りません。
※治療を受けるにあたって「オステオパシーの考え方」、「施術の方針」をお読みの上、オステオパシーの治療方
針をご理解いただきますよう、お願いいたします。
不定愁訴60代/女性
症状
両膝が歩行時や、特に階段の昇降時に痛む。足のむくみ、肩こり、腰痛。
便秘症、アレルギー性蕁麻疹、耳鳴り、身体が疲れやすい。
便秘が3日続くと血圧が収縮時で200mmHgあたりまで上がってしまう。
既往症
生後1週間目に肺炎。小児喘息。20歳の時にA型肝炎。
23歳の時に虫垂炎により手術。高血圧症、橋本氏病、糖尿病、変形性膝関節症。
施術内容
オステオパシーにより全身を診察したところ、身体全体の組織の活動力が著しく低下していた。頭蓋骨や身体のシステムに動きがほとんどなく、呼吸が浅い。
第一次呼吸システム(生命を営む肺呼吸とは別の、身体が膨張したり収縮したりする循環・呼吸システム)が強く制限されており、そのことにより外傷や外界からの刺激(環境や心理的ストレス、出産や人間関係など)に対応することが出来ず、自己治癒力が働きにくい状態に置かれていた。
仙骨を可動化させ、そして第一次呼吸病変を解除するテクニックを行う。第一次呼吸システムが大きく制限されていたため再びシステムが動き出すまでにかなり時間を要したが、1回目の施術で病変がリリースされる。それに伴い呼吸運動も活発になり、ご本人も身体の内部から力がみなぎるのを感じる。
治療直後、膝の痛み、肩こり、腰痛、足のむくみが改善する。翌日より便秘症が改善し、しばらく一日に数度の便通があったとの事。施術後2日程は施術の反応により身体に筋肉痛や疲労感が出たが、それ以降力が戻り全身の倦怠感などが大きく改善される。耳鳴りは1回目の施術後半分程度に変化し、4回目の施術終了後には消失する。アレルギー性の蕁麻疹も、表出していた部位が徐々に少なくなり10日程であまり気にならなくなる。
歩き過ぎた際に膝が痛くなることやご本人の希望もあり、現在は1か月に一回の頻度で来院されている。
治療を始めて2か月ほど経過し、以前150~160mmHg(降圧剤を服用している)だった収縮時の血圧が、現在は120~130mmHgへ下がっている。
解説
身体の各部位のバランスや関係性が良くないこと以前に、その人の持つ生命活動のシステム自体(第一次呼吸システム)に問題がある場合、まずはじめにこの病変を見つけ施術する必要があります。この第一次呼吸病変はあらゆる不調を持つ方々、または全く自覚症状を持たない方にも見つかることがあり、特に珍しいものではありません。
人が生まれてくる時、新生児は産道を抜けて胎内から外界へ出てきますが、その時にかかる圧力や、また臍の尾が首に巻きつけられたり仮死状態で生まれるなどの出生時のトラウマなどにより、この病変が引き起こされる可能性があります。また、あまりにもショックな出来事や大きな外傷を経験した際にも引き起こされる可能性があります。
この病変を出来るだけ早期に発見し、その人の持つ正常なリズムを取り戻すことが望ましいと言えます。
※図参照 (クリックで拡大します)
この病変があり、それが身体の不調と大きな関連を持っている場合はこの病変をリリースすることによりすぐに大きな変化が出る事が多く見られます。このシステムが機能し、その人が自らのリズムを取り戻すことができれば、身体や心、その人の持つ機能はより自由に働く事ができます。そしてその他の身体のアンバランスの調整は比較的容易になっていきます。